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研ぎ澄まされた孤独

とりとめのない思考を無理に言語化した記録

おいしかったのは料理か雰囲気か ラーメン屋から考える

 今日は大塚で夕飯を食べました。尾道ラーメンのお店です。『麺一筋 新大塚店』尾道ラーメンがなんなのか分からなかったのですが、最近家系しか食べてなくてわりと普通のラーメンを食べたかったので、迷わず入りました。

 

 微妙な時間だったのでお客さんは一人。「いらっしゃいませえっ」という元気のいい声が奥から聞こえてきました。

 入口すぐ左手に食券機がありました。尾道ラーメン750円。財布から小銭をあさっているその時、誤って50円玉を落としました。足元を見るも見つからない。あれえ、どこいったんだろう……と思ったのですが、まあ50円ぐらいいいか……と諦めました。しかし、奥から店員さんが来て、

「どうぞ」

 と言って影に隠れていた50円玉を渡してくれたのです。わざわざ僕の所まで来て拾ってくれた店員さんはとても優しいなあと思いました。

 

 小銭が足りなかったため、僕は1000円と250円を食券機に投入しました。750円のラーメンだから、おつりは500円玉で来るのだろうなあと思っていました。けれども実際には、100円玉が5枚、じゃらじゃらと出てくるのでした。あれえーと思ったのですが機会に文句を言ってもしかたがないので、行き場のないやるせなさを抱えつつ店員さんにカウンター席に誘導されました。食券を渡し、お冷を口に含んでいると、ふたたび店員さんがやってきて、

「500円玉に替えますよ。わざわざ100円玉入れてくださったのに、すみません」

 と、500円玉を持ってきてくれたのです。

「えっ、いんですか? ありがとうございます!」

 僕は財布から100円玉5枚を出して、500円玉と交換してもらいました。こういうところまでしっかり見ている店員さんはとてもやさしいなあと思いました。

 

 さて、肝心のラーメンですが、たいへん美味しかったです。煮玉子はよく味が染みているし、麺はコシがあるし、チャーシューはとろっとしていて味わい深かったし、スープは背脂でマイルドです。久しぶりに家系じゃないラーメンでおいしいラーメンを食べたなあ、と感慨にふけっていました。

 

 しかしこれは、本当にラーメンが美味しかったのかなあ、などと意味不明なことを考えました。つまりラーメン自体は大したことはなかったのだけれど、店員さんの優しい対応のせいで、おいしく感じたのではないだろうか? と。

 でもまあこれはどっちでもいいことです。ラーメン自体がおいしいのか。接客が気持ちいいのか。お店の評価を決めるのはその両方です。実存的においしいか、ではなく、個々人が主観的においしいと思えれば、それでいいのです。

 そもそも僕たちが一番好きな料理はどこのラーメン屋のラーメンでもなければどこのレストランのパスタでもなく、お母さんの作るカレーライスなのです。そこには料理自体のおいしさではなく、ある種の「関係性」というスパイスがもっとも舌をピリリと刺激するのです。

 いずれにしても、僕はこのお店にもう一度行きたいなと思いました。とてもおいしかったです。店員さん、今日はありがとうございました。