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研ぎ澄まされた孤独

とりとめのない思考を無理に言語化した記録

2月1日映画サービスデーにおすすめの映画3選『ザ・ウォーク』『ブリッジ・オブ・スパイ』『白鯨との戦い』

感想

ぼくも前は週1とかで映画を見に行っていたのですが、最近なんか行く気にならなくて言ってませんでした。べつにお金がないとか時間がないとかでもないんですが……本読んだりしてる方が楽しかったっていう感じですね。でもそんな時に「このままじゃいかん」と思ってここ1週間でいろいろ見てきたので、おすすめを紹介します。

 

『ザ・ウォーク』

フランス生まれのフィリップ・プティ青年が綱渡りをする話。『500日のサマー』のジョセフ・ゴードン・レヴィット主演。幼少期に見たサーカスの綱渡りが忘れられず、曲芸師としてパリでパフォーマンスを続けるプティ。ある日歯医者であの世界貿易ビルが建設されるという記事を雑誌で読む。そのあまりの高さに震えたプティは二つのタワーを綱渡りするという計画を立てる。予告なしに行われる綱渡りを「クーデター」と呼び、アメリカに飛ぶプティ。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『キャストアウェイ』などを手掛けたロバート・ゼメキスが、史上最高のテロとしての芸術を描く。

 

ぼくは3Dで見たのですが、やはり迫力がすごかったです。高所のシーンがたくさん登場する作品ならではの体験ですね。

 

一つすごいと思ったのは、綱渡りを失敗してバランス棒を落としてしまうシーンです。足場がぐらぐらして落ちそう、っていうときにカメラは主人公の真横に位置しているのですが、棒を落とした瞬間に真下から空にカメラを向けるんです。そしてカメラに向かって棒の先端が落ちてきて……

 

なるほど、3Dだとこんな表現もできるんだなと素直に感心しました。

 

さて、ぼくはじつはこれを見た直後は「うーん、面白かったけどなんかいまひとつ」という印象でした。主人公はサイコパスじみてるし、展開は早いし、周りのキャラクターは薄いし。

 

でもこの観賞後にこの映画について調べていくうちに、やっぱこれすげえわと思いました。なんとこの話、実話なんですね。ほんとうにワールドトレードセンターを綱渡りしたフィリップ・プティというひとがいるらしいんですよ! しかも今もご存命なんですね。それを知ったとき、この映画は世界にとって価値のあるものだと確信しました。

 

ぼくはどこか、どうせフィクションなんだろという斜に構えた見方をしていました。ほんとうにこんなことするわけない、思いつくわけない、できるわけない……そうした冷めた視線が、ほんとうにアツくて素晴らしい作品をぬるいものにしてしまいました。

 

この映画、最後のビルの綱渡りのところである「障害」が現れるんですね。まあ隠しても想像つくと思いますけど。で、主人公はその「障害」に対して、あんなことやこんなことをするんですね。そしてそれも実話らしいんですね。白黒の写真がネットにあるので調べてみてほしいんですが。

 

こういうことをした芸術家が実在していて、それをエンターテインメントにまで昇華させて映画という形に残したロバート・ゼメキスの試行はとても尊いことだと思うし、こういうのがあるから偉大なひとというのは次の世代に継承され、歴史に刻まれていくんだなあと思った一作でした。

 

『ブリッジ・オブ・スパイ』

舞台は冷戦時代のアメリカ。トム・ハンクス演じる元弁護士のジェームズ・ドノヴァンは、アメリカに潜入していたソ連スパイの弁護をすることになる。彼は死刑は必定と思われていた判決を、懲役30年にすることに成功。あるとき、今度は逆にソ連に潜入していたアメリカ兵がソ連で捕縛される。アメリカは、そのアメリカ兵とソ連スパイとの交換をソ連に要求。その交渉をジェームズが担うことになる。スパイとスパイの架け橋となる男の信念を、『シンドラーのリスト』『ミュンヘン』などを手掛けたスティーブン・スピルバーグが描く。

 

シナリオだけ見るとすごく地味な映画っぽいですが、結構盛り上がります。裁判長と言い争いになったりとか、ソ連スパイを弁護したことで家が襲撃されたりとか、東ドイツでチンピラにコート奪われたりとか……

 

最初の裁判の判決後、ジェームズが電車に乗っていると、乗客たちが睨んでくるシーンがあります。乗客たちは、ジェームズという男がソ連スパイの弁護をして減刑に成功したという記事(顔写真付き)を読み、「あいつがソ連の見方をした弁護士じゃないか」と思っていたんですね。

 

で、映画のエピローグで、またジェームズが電車に乗るんです。その時、乗客たちはこんどは和やかな視線を送ってくるんです。なぜなら新聞には「ソ連に捕縛された米兵を救った弁護士」として彼が取り上げられていたから。その視線に対してまんざらでもない表情を浮かべるトム・ハンクスが面白かったです。

 

ほかにも印象に残ったシーンはたくさんあります。奥さんが「魚は釣らなくてもいいから帰ってきて」と、夫がやろうとしていることに気付きながらもとめることができないと感じるシーンとか、ベルリンの壁を乗り越えようとする家族が狙撃されるシーンとか(このシーンを想起させるような描写がエピローグで登場します)、帰国してベッドにぶっ倒れるシーンとか(「お疲れさまです」と言いたくなる)……とにかくただ暗い話と思うなかれ、という感じですね。おすすめです。

 

『白鯨との戦い』

さっき見てきました。面白いです。文句なしに。舞台は19世紀アメリカ。原作の『白鯨』を書くことになる作家のハーマン・メルヴィルが、元船乗りのおじいさんのところに行って昔話を聞きに来るところから物語が始まります。このハーマン・メルヴィルを最近の007でQ役で登場するベン・ウィショーが演じています。インテリ感あって好きなんですよね。

 

さて、映画の内容としては船乗りたちがクジラを捕まえようとするものの巨大なクジラによって船を破壊され、難破し、長い漂流の中でようやく陸に辿り着き、地元に帰るというだけの話です。

 

ただそれだけなのに面白い。CG技術の粋を見せられたという感じです。3Dで見たんですが、すごいですよ。冒頭に帆を張る練習をするシーンがあるんですけど、ただそれだけなのに迫力がある。柱に絡まったロープをナイフで切った瞬間に帆が風を捉えて一気に膨らむシーンは、まるで質感や風圧まで感じてしまいそうなぐらいリアルでした

 

けっこうアクション映画感覚で楽しめるのではないでしょうか。アクションではないのですが、息をつかせないスピーディな展開で、カニバリズムなどもあり、海の恐ろしさ、海の生き物の強さを感じました。

 

ちなみに当時はまだ石油が発見されていない時代で、クジラから取れる油はとても重宝されていました。そこらへんの時代背景も含めて、勉強になりました。『白鯨』読んでみたいと思います。『バケモノの子』で引用されたりしてましたしね。

 

というわけでみなさん、よい映画ライフをノシ