研ぎ澄まされた孤独

とりとめのない思考を無理に言語化した記録

出版就職活動日記(4月)

4月1日

 中目黒にある某芸能事務所の説明会に参加。芸能には興味ないけど、視野を広げるために一応。興味が無いので、途中で寝てしまった。質問の時間があり、学生は頼まれてもないのに自分の大学名と氏名を言ってから質問をしていた。どれも聞いたことのない大学だった。

桜の季節なので、駅前は人で賑わっていた。就活で花見をする余裕もない。夜、近所のサイゼリヤでワインを飲みながらダ○○○○○社のESの下書きを書いていた。映画サービスデーだが、映画は観なかった。

 

4月2日

 大学で履修案内のガイダンス。その後友達とハンバーグを食いながら就活について話す。電車で帰り、近所のカフェを転々としながら昨日のESの清書をする。で、ファミマで送付状をプリントし、ジョナサンで封筒をつくり、西新宿のゆうゆう窓口に行く。「これ明日までに届けたいんですが」「渋谷ですと、渋谷郵便局に持っていっていただけると」無愛想な人だった。「じゃあ明後日でもいいんですが」速達で送った。明後日がES締め切りだった。

外に出て、缶コーヒーを開ける。うまい。西新宿の夜に雨が降りだした。くすんだビニール傘の内側からコクーンタワーが放つまばゆい灯りを見る。帰宅。深夜11時。○経○P社のESをパパっと書き、リクナビ経由で電子的に提出した。疲れた。

 

4月13日

 東○○○○報社の筆記試験。御茶ノ水にある中央大学の校舎で行われた。6つの時事用語をそれぞれ100字で説明せよ(60分)、「トランプ現象」について資料を読み400字で論じよ(60分)、東○○○○報社に入った10年後のあなたに向けて800字の手紙を書け(60分)、2枚の写真からどちらかを選び、それから連想した物語を書け(30分)というものだった。

長丁場だから大変だった。でも意外と楽しかった。私服で行ったけど、スーツで来る人も多いということを知った。半々ぐらいの割合。大きなキャリーバッグを引いている人もいて、そうか就活というのは全国から学生が集まってくるんだな、と当たり前のことを確認した。

 

4月14日

日○○P社のグループディスカッション。白銀高輪という高級な街に会社がある。なんというかつまらない街だなと思った。GDは8人で行われた。テーマは「雑誌の未来」。なんともあいまいだ。ネットでいわれる「地雷学生」はおらず、わりと和やかな雰囲気のなか、議論が行われた。なかにはまったく発言しない人もおり、僕はそういう人に「いまこういう方向に議論が動いていますが、○○さんはどう思いますか」と話を振ったりした。

 

4月19日

 ○○○○ヴァ○○1の説明会。パネルトークで登場した社員がみんな高学歴だった。まあ自分が書類で落とされることはないはず……と思ったものの、就活ではやはり学歴も一つの判断基準なのだという冷たい現実を突きつけられ、少し怖くなった。

夜、東○○○○報社の1次面接のお知らせが届く。

 

4月22日

 日○○P社の1次面接。部長クラス2名との個人面接。就活での面接はこれが初めてだった。一通りの質問が続いた。「自己紹介と志望動機」「希望職種以外もやる気はあるか」「この業界の未来について」「他社から内定がでてもうちに来るか」。変化球としては、「機動力を教えてください」というものがあった。僕はそれにまったく答えられなかった。

 

4月24日

 ESでめちゃくちゃ忙しいというのに、バイト先からヘルプで呼び出され、ものすごく陰鬱な気分になる。断ればよかったのに、勇気が出ず引き受けてしまった。もしこれでESのクオリティが落ち、通過しなかった場合、必ず後悔する。「あの時バイトを断っておけば……」そうはなりたくなかった。僕は仮病をつかい、バイトを早退した。こんな決断をしたのは初めてだ。だがこれでいい。これでもう、ESが通過しなかったとしても、100%自分のせいになる。

サイゼリヤで講○社のESを書く。もう新宿からでは間に合わない。池袋に行き、そこのゆうゆう窓口に速達で出した。そこには僕以外にも講○社宛の封筒を持っている若者がいた。がんばろうぜ、そう心のなかでエールを送った。

 

4月25日

 日○○P社からサイレントお祈りが来た。サイレントなのに来たとは哲学的だが、いずれにせよ落ちた。この日までに【通過された場合は】ご連絡を差し上げます、と言っていたからだ。

時間が前後するが、午前は東○○○○報社の面接に行った。日本橋に会社がある。面接官3名の個人面接。結構突っ込まれた質問が多かった。「新聞は読むか」「最近気になった記事は何か」「あなたのやりたいことの軸は何か」。2回目の面接ということもあり、1回目よりはうまく喋れた……と思っていた。この時までは。

 

4月26日

 新○社からESのお祈り。はい。結構がんばって書いたんだけどな。ツイッターを見ると、友人は通ったらしい。こういうときに良くない感情が渦巻くのが就活の怖いところだ……そう思った。そしてダ○○○○○社の筆記試験。この辺のことは以前ブログで書いた。

 

4月27日

 文○○秋からESのお祈り。もうどうでもいいや。そう思いつつ、○○○○ヴァ○○1と同じビルにフロアを持っているプ○○○○○社の説明会に行く。ミニGD的なことをやらされた。みな張り切って侃々諤々の議論を展開していた。僕は風邪気味で、あんまり参加できなかった。どうせ選考には関係ないだろうに、なに気合い入れちゃってんの……そういう気持ちも無くはなかった。

 

4月28日

 東○○○○報社から1次面接のお祈り。そうか。僕はここで大きく反省した。まず、僕は面接官と全然目を合わせずに喋っていた。基本的に下を向き、たまに相手の目を見ていた。その上、声は小さく、全然明るくない。ここまでは態度の問題だ。

そして重要なのだが、僕の志望動機はあまりに弱かった。その会社でなければならない理由がないのだ。だから日○○P社でも東○○○○報社でもその点を突っ込まれた。「講○社やK○○○○○○Aも受けられるようですが、そこよりもうちに入りたいですか」と。大手よりもその会社を志望する理由がまったくなかった。これでは落とされるのも仕方がない。

AさんとBさんに同時に告白されたとして、Aさんが「映画とか好きで、同じ趣味の人と付き合いたいと思ってるんです」、Bさんが「あなたのブログを読んで、いい人だなと思ったんです」だったら、Bさんのほうがいいと思うだろう。Aさんは他の映画好きの人と付き合えばいいんだから。就活もそういうことなんだろう。