研ぎ澄まされた孤独

とりとめのない思考を無理に言語化した記録

息がつまる職場

いま会社のトイレでこれを書いている。残業しているのだが、息が詰まってしにそうになる。いま、ぼくの部で残業しているのはぼくを含め4人。全員同じ課だ。そして4人は向かい合わせの隣り合わせで座っている。日本の典型的な「島」型机配置のオフィスだ。静寂。紙の資料が擦れる音と、キーボードのタイプ音だけが空気に溶けていく。会話はない。息がつまる。緊張する。ひとりならともかく、他人がいる。咳払いなどもする気にならない。この広い静かな空間の中央に他人が4人、向かい合わせで座っている。そして仕事をしている。すこし視線を上げれば目が合う。あってしまう。そういうギリギリのところで、背を丸めながらパソコンを睨む。集中できない。物音ひとつ立てるのさえはばかられる。思考が止まる。唾が出るので飲み込むのだが、ゴクリと喉がなるのさえ丸聞こえなほどの静寂、誰もがその音を聞き漏らさない。向かい合う他3人の耳に届く唾を飲み込む音。そして空気嚥下症の僕は胃に空気を含んでしまい、それが腸かどこかを走りぎゅるぎゅぎゅるうと音を立てる。当然その音はこの静まり返ったオフィスの中心に異常な人口密度を誇る弊課デスクにひびきわたる。アホか。やってられないわ。帰って仕事しよう。でも今日は気軽に帰ることのできない訳がある。